解剖

 

○大腿骨顆間窩外側後方より脛骨プラトー前内方に付着

前内側線維束後外側線維束に区別される 

前内側線維束→膝屈曲位で緊張                     

後外側線維束→膝伸展位で緊張 

○脛骨の前方偏位、前外側回旋不安定性(ALRI)、下腿内旋、過伸展を制御

○膝軽度屈曲位で大腿四頭筋が急激に収縮している際に重要な機能を果たす。

 

病態

 

○脛骨が前方に亜脱臼する膝崩れ(giving way)が繰り返される場合が多い

○MCL、MM損傷を合併していることが多い

→「不幸の三徴(アンハッピートライアド)

○関節軟骨にも損傷をきたす場合がある

  

 

受傷機転

 

○接触型  

タックルなどで膝に直接外力が加わる

外反ストレス過伸展強制など

 

○非接触型

 急激なストップ、ジャンプの着地時、カッティング、ステップ時

 膝の外反、内反、過伸展

 

 

症状

 

○断裂音、脱力感、脱臼感

○受傷直後…腫脹や疼痛を認めないことが多い → 時間と共に出現

        ○関節内に血腫が貯留し、関節可動域が制限され、疼痛のため歩行ができない

        ○通常1ヶ月程度で普通の生活に戻る

        ○合併半月板損傷により嵌頓(locking)や引っかかり感(clicking)をきたす場合が多い

 

徒手筋力検査

 

○Lachman test…

約20°屈曲位で、膝蓋骨上極より5cm程度近位の大腿部を外側より把持し、

下腿部は脛骨粗面あたりを内側より把持して、脛骨を前方に引き出す

 

 

○前方引き出しテスト…股関節45°膝関節90°屈曲位にて両手で下腿部を前方に引き出す。被験者の屈筋力が加わりやすい

○N-test…膝60°屈曲位、大腿部遠位外側と足底部を把持。膝関節に外反を加えつつ、脛骨を内旋しながら膝関節を屈曲位から伸展していくと

             脛骨が外前方に亜脱臼する現象を見たもの

 

 

○ピボットシフトテスト

 

6.治療の流れ

 

○RICE処置

○1~2週間経過 歩行を積極的に行わせ、関節可動域訓練を行う

○可動域が正常となり跛行もなくなった時点で前方不安定性の程度、合併半月板損傷の有無、競技者のニーズも考慮に入れ、治療法を決定

 

7.保存療法

 

○対象:活動性の低いスポーツ愛好家、術後のリハビリが長期にわたるため手術が現段階で行えない競技者

○原則:活動性の低下を含めた生活指導、

    膝関節周囲筋の筋力増強

    崩れを起こさないように注意させながら、スポーツ活動に復帰させる

    ※保存療法でいくとO.Aになる可能性が高い

 

8.手術療法

 

○手術時期:受傷後1ヶ月程度経過を見て、不安定性が残存していれば関節可動域や歩行が改善されてから行う

 

○靱帯再建術  自家腱{骨付膝蓋腱(BTB)、半腱様筋腱(STG)+/-薄筋腱、腸脛靱帯}

        同種腱…感染の可能性

        人工靱帯(リース・慶應靱帯、ゴアテックス)…劣化の問題

        ※解剖学的二重束再建術が主流

 

○術後  膝装具装着 1~2週     ジョギング  3ヶ月~

     可動域訓練 2週~     スポーツ復帰  6ヶ月~

     荷重開始  3週~       競技復帰  7~9ヶ月

 

※いつスポーツ復帰させるかの科学的根拠は全くない